はじめてのAI?〜夫の「簡単じゃん」の、裏側で起きていたこと〜
ある火曜日の夕食時、夫がこんなことを言い出した。「洗い物は俺がやるから、会社の資料作って」
いやな予感がした。夫にパソコンを教えてくれとか、パソコンで何か作ってとか頼まれることは、たまにあった。でも、夫の言いたいこともよくわからないし、PCスキルの低さにちょっとイライラしてしまうこともあった。内心、洗い物のほうが楽だわ、と思いながらノートパソコンをリビングで開いた。
しかし、今日の私は違った。
そう。Claudeがいるのだ。
この夫の依頼は、Claudeに丸投げしてしまおう。
夫が洗い物を始めたので、カウンターキッチン越しに夫に話しかける。
「で、何をしたいの? してほしいことを言って。」
◆ 本当に丸投げ。
どうやら夫は、なにか専門用語を言っているみたいだった。
注意深く、聞いたとおりに夫の言葉をClaudeとのチャットに打ち込んでいく。
「部品交換頻度がどれくらいなのか?」
専門用語を交えながら、夫はそんな質問をはじめた。
聞いたことのないカタカナに戸惑う私だったが、Claudeはいたって冷静に
「まず、いくつか教えてほしいことがあります」と質問を返してくる。
◆ 気づけば、私は”通訳”になっていた
Claudeは、すぐに答えを出すのではなく、必要な情報を質問してきた。
私はそれを夫に伝え、返ってきた答えをClaudeに渡す。
夫に聞く → Claudeに渡す → また質問される → また夫に聞く……
これを繰り返した。知らない単語ばかりだったが、ただ文字を入力するだけなので、ストレスなく行うことができた。
必要な情報を聞き終えると、Claudeは機械の予防保全推奨頻度というエクセルファイルを作ってくれた。
洗い物を終えた夫が、私の後ろからClaudeとのやり取りを覗いて言った。
「すごいな。こんな簡単にできるんだ。」
でもClaudeは言った。
「今の情報だけでは、正確なことは言えません。その機械の型番の写真はありますか?」
◆ 写真1枚で、流れが変わった
夫は、スマホを持つと、機械の型番などが撮影された写真を探し出した。私はそれをLINEで送ってもらい、OneDriveにアップした。
写真はすぐにClaudeにわたった。そして機械の詳細な情報を手に入れたClaudeは、「これは、思っていた種類とは違うようです」と言って、さきほどのExcelファイルを、メーカーと型番に合った、より正確なものに作り直した。
◆ そして、夫は言った
夫は資料を見てまた言った。
「マジですごいな。本当に何でもできるんだな」
こうして出来上がったファイルを、私は、夫の職場のメールアドレスへ転送してやった。
あっという間に一件落着。
そして実は夫よりも、私のほうが驚いていた。
夫のお願い事が、こんなに簡単に片付いたのは、はじめてだった!
ただただ何も考えず、夫の言葉をそのままClaudeに送り続けた。
そしてClaudeの言葉を、正確にゆっくりと夫に読んで聞かせた。
わたしはただのUIのようなものだった。
それでもこんなに短時間で、ストレスなく目的を達成できた。
これって夫の「はじめてのAI」じゃない?
パソコンは苦手で、AIもあまり活用できていなさそうな夫が、今日こんな体験をできたことが、私はなんだかとてもうれしかった。
明日、夫はどんな顔でこの資料をみんなに見せるのかな。