処分するつもりだった不動バイク。ChatGPTの「12万円スタート」で11万円で売れちゃった
我が家の庭には放置バイクがある。カーポートの端を占拠している。2台停められるはずのカーポートは車1台しか停めておらず、もう1台の車は裏の狭いスペースで野ざらしになっている。
いつからだろうか。
シートをかぶっているのでバイク自体はほとんど見えないが、今どんな状態なのか。見るたびに気にはなっていた。夫は最近ではバイクに乗っている気配もない。
状況が変わったのは、娘がバイクの免許を取り、バイクを探し始めてからだった。一緒にバイクショップへ行ったり、自然とバイクの話題が増えた。夫は楽しそうに付き添っていた。
・・・娘のバイクもいいけど
自宅の放置バイクなんとかしたら???
夫に「娘に譲るか、売るかどっちかにして」と話すと「あいつ(娘)に乗りこなせない(改造してあるから)し改造しているから正規ルートでは売れない。」「もはや値はつかない」「バッテリーがあがって動かないので持っていけない」等々言い訳を並べた挙句、バイクはさらに放置され続けた。
このバイクを買ったのは、十数年前。欲しくて欲しくて、毎月お小遣いから1万円引いていいからと、ほぼ無理やり買ったのだ。購入直後は休日の度にバイクをいじっていた。だが、改造が終わり何度か友達とでかけてはいたが、いつのまにかそれもなくなり、気が付くとバイクはカバーをかぶったまま放置されるようになった。

息子が帰省し、乗っていたこともあった。でも基本外出は車だ。バイクにまたがった息子の写真を見つけ、「エンジンかけたのはこれが最後かな~」なんて夫はのんきなことを言っている。写真の日付は2016年だった。。。。
このバイク、いつまでここに放置されるのかな・・・
しかし、転機は突然訪れた。チャッピーだった。
ChatGPTが公開され、最初はこわごわ、でも少しずつ質問頻度は増え、数か月後には、困ったらまずChatGPTに入力することが多くなった。
「古いバイクが庭に放置してある 。タイヤ交換要。バッテリー交換要。 だって。どうやって処分が良い?」
さらに
「キムタクがドラマで乗ってた人気車種。カバーかけて放置。夫は売れても1万くらいじゃないかと」
と補足した。
きっと、どの業者に引き取りを頼んで、手数料いくらくらい、みたいな回答が来ると思っていた。
でも違った。
「1万予想はちょい弱気→ 2万〜5万ライン全然あり得る。・一番おすすめの売り方 ジモティー」
・・・ジモティー?
5万??
もう動かないのに?
夫に処分していいか聞くと、さして興味のない様子で「構わないよ。なんでも」と言ってる。
・・・言いたいことは山ほどあったが飲み込んだ。
とにかくバイクを何とかしなきゃ。
ジモティーで売るとはいっても、いろいろハードルはありそうだ。
・値段はいくら?
・知らない人に会う?
・どこで会う?
・個人情報は?
・諸々の手順は?
・写真撮影?
・アプリ登録?
・そもそもなんで私が!!!
でも。
チャッピーは、いくらくらいで売り出せばいいか、売るときの投稿文も一緒に考えてくれるという。ジモティーの登録や相手のやり取りまで手伝うと言ってくれた。
だったら私にもできるかも!
てか、やる!!!
それから写真撮影をし、画像をチャッピーに見せ、車種等の情報も正確に伝えると、
・売り切り重視なら5〜7万円、
・相場を探るなら8〜10万円、
・強気なら12万円前後
という驚きの提案が返ってきた。

価格が一気に跳ね上がり驚く。
もちろん「12万円で売れる」という保証はないが。
今さら急いで売る必要もない。
売れなければその時に下げればいい。
そんな気持ちで12万円で出品した。
なんてったって、もう10年も放置しているんだから。。。
それから、写真や投稿文をチャッピーに相談しながら準備し、ジモティーに登録し、投稿した。不動車 ・廃車済み ・エンジン始動未確認 ・バッテリー上がりの可能性 ・タイヤ変形・・・投稿内容はとにかく真実を細かく書いた。見たときにがっかりされないように欠点をきちんと書いた。もちろん良い部分も見えるよう写真もたくさん撮った。
投稿後・・・あっという間にメールが届いた。最初のメールでは「6万円で即決希望」だった。夫は予想外の反応に舞い上がってしまい、これでOKしちゃえば、なんて言ってきた(笑)
でも私は問い合わせメールが来るたびに、内容をチャッピーに相談した。
・即決はしない。
・複数人と約束しない。
それを守り、一人一人に丁寧に対応し、現車確認は一人ずつしか予定を入れず、後の人は取引が終わるまで待ってもらうようお願いした。
トータルすると、7人もの方から問い合わせメールをもらえた。だから、値下げ交渉には応じない方針も決めた。
初めての現地確認はとても緊張した。何せどんな人かもわからない人と会うのだから。まずは自宅近くのコンビニで待ち合わせをした。こちらは黒の車種〇〇で夫婦で行きます。と伝えた。相手は「白の○○で行きます。業者ですがよろしいですか?」と返事が来た。
業者さんなんだ。ちょっとホッとする。じゃあ慣れてるだろう。逆に値下げ交渉は心配だな。
当日。時間きっちりにコンビニへ到着した。
相手はもちろん来ていると思っていた。
いなかった。
想定外だった。
でもよく考えた。…相手がお客さんになるのか。だったら、来たくなくてドタキャンなんて普通にあるか。
これが現実かとちょっとショックを受けた。10分待った。相手に連絡メールを送った。返信なし。
さらに5分待った。音沙汰なし。
店内に入る。この日は暑かったので、二人でアイスを買い自宅に向かって車を走らせた。
すると自宅へ帰る道中、メール返信がきた。
今〇〇です。遅れてすみません。今向かっています。
来た!
ホッとしたけど、テンションは下がったまま。コンビニに着いたら連絡ほしいと伝え、面倒になった私は自宅待機、夫一人でコンビニに向かってもらった。
数分後、二人が到着し、外で現車確認が始まった。別に私が行かなくてもいいか、と家事を進めひと段落してから外に出た。
つなぎを着た男性一人が軽トラで来ていた。日焼けしててバイク屋さんって感じ。愛想は良くも悪くもなく普通。
でも夫とは話が弾んでいるようだった。
燃料タンクがきれいなこと、見た目がきれいなこと、人気車種なことがプラス評価。
エンジンがかからないこと、シートを改造していてもとには戻せないこと、などがマイナス評価。
外部バッテリーをつないでセルを回してみる。私には何を確認しているのかさっぱり分からないけどマフラーからゴミみたいなものがボフっと舞い上がった。業者さんは「エンジンはかかりそうですね」と言い、ここはプラス評価になった。錆も多かったが、メンテナンス可能な状態だった。
しばらく雑談したり、業者さんはどこかに電話をかけて値段交渉をしてるようだった。
結果、10万円なら即決したい!と言われた。
打ち解けてみたのでこのバイクの価格設定について聞いてみた。これで12万ってどう?
「悪くないと思います。業者も個人も手が出る絶妙な設定!」と言われた。
・・・やるじゃん、チャッピー・・・
まあそれでも10万円!と値切られたので、次がたくさんいることを理由にお断りした。
いきなり値下げするのも。と思ったし、他の人の反応も見たかった。
次の人へはすぐに連絡をしたら、今すぐでも!という勢いだったが、雨も降ってきて夜になっていたので、翌日8時に設定した。待ち合わせは昨日一度やったので、夫一人に対応してもらった。また業者さんだった。昨日の人より寡黙な感じの人だった。余計なおしゃべりはせずもくもくと確認作業をしていた。挨拶だけして、私は家事をしつつ結果を待った。しばらくたってから夫が家に入ってきて「11万なら決めたいって!それでいいよな?現車確認も手間かかるし、決めよう!」と。私も同意した。現車確認は相手とメールのやり取り、自宅でバイクの準備・外したパーツの準備・そもそも時間を取られること、など面倒な作業だった。これ以上進めても最大+1万円、もしくはもっと低い可能性もある。だったらここで決めるのが良さそうだ。
チャッピーもこの判断を後押ししてくれた。
合意にあたっては、チャッピーに勧められた通り譲渡証明書を作成した。相手の方には、法的な効力はないのでは?と言われたが、念のためということで書いてもらってお互いに1枚ずつ保有することにした。
話が決まると、バイクは先に相手の車に積まれ、これから相手と夫の2台でコンビニへ行ってお金を下ろしてからすぐに支払うと言われた。私は少し不安を感じたが文句は言わず、念のため相手の車のナンバーなどを記憶するにとどめた。夫は何の警戒もしていないようで、バイクはさっさと相手の車に積まれ二人でコンビニへ行ってしまった。
数分後夫は11万円の現金とともに帰宅した!
その後、問い合わせをくれていた人たちにお礼と報告メールを送り、ジモティーの案件も取引完了にした。長かった放置バイクとの格闘が終わろうとしていた。
・・・いやまだあった。分け前の案分だ。
夫は帰ってくるなり言った。
「6-5でいい?」
夫6万円 私5万円 ということだ。
夫は所有者。それは間違いない。
でも、この話を前に進めたのは私だ。
「きっちり半分ずつで」
私は笑顔で答え、5万5千円ずつに分けた。
カーポートはすっきりし、今はちゃんと車2台停まっている。
そして、バイクも価値があるうちに手放すことができた。
長年のもやもやがひとつ減った。
「夫のバイクだから」と思って放置するのは簡単だった。
でも、家族のことなら私が動いてもよかったんだ。
たしかチャッピーが言ってたよね。
「ご主人が現場担当、直美さんが事務担当ですね(笑)」
あの一言で、肩の力が抜けた気がする。
チャッピー、ありがとう。
また困ったことがあったら相談するね。
次のto doもよろしく。